2010年9月30日木曜日

核武装の費用対効果

白村江で百済・日本連合軍が唐・新羅連合軍に大敗したときの唐の勢力範囲は中華史上最大であり、西域においても北の蒙古高原においても南のベトナム方面においても至るところで版図を拡大していました。現在の中国はその頃と同じような超大国になる可能性があり、日本としてはその勢力拡大の動きに対しては当然力で対抗する必要があります。白村江の敗戦後、九州沿岸の防備を堅固にするために全国から防人を集めて防御体制をつくり朝鮮半島からの浸入に備えました。今、必要であれば核武装もすべきだと思いますが、問題はその費用対効果です。ika18氏のコメントにある核搭載の攻撃型原子力潜水艦を自力で開発する、あるいは米国から購入するのは良い案かもしれません。広島に落とした原子爆弾を米本土からテニアン島まで運んで来た米重巡洋艦インディアナポリスを積荷の原子爆弾を降ろした三日後に日本海軍の潜水艦伊58が三発の魚雷で撃沈しましたので、日本は潜水艦による攻撃は得意だと思います。別の案としては、普天間の米海兵隊を高知龍馬空港に移設し、中国海軍が沖縄、九州を攻撃しているときに、中国海軍の舟山軍港の背後に米海兵隊と自衛隊が強襲上陸することです。母港に帰れなくなれば、燃料切れで艦隊は自滅します。鳩山由紀夫氏が主張する東アジア共同体に意味はなく、ヨーロッパ共同体は強大なソ連と米国に対抗してつくられたものであり、日本が強大な中国に対抗してつくるのであれば西太平洋共同体であり、当然中国は加盟できません。また別の案として私は今アフリカのマラウイに在住していますが、現代的な交通の利便性から言えば地面や海がつながっていなければ共同体や連邦国家をつくれないわけではありません。日本とマラウイが連邦国家になれば日本は豊富なアフリカの資源にアクセスできるようになり、海のないマラウイは日本の沖縄や北方領土を日本と共有できます。マラウイ大統領が北方領土を日本に返せとロシアに強く主張できるでしょう。中国は今マラウイ始めアフリカ諸国に資源を狙って強力に進出しています。小沢一郎氏が円高の間に資源に投資しろと言うのは中国への対抗であることは言うまでもありません。

2010年9月21日火曜日

カレル・ヴァン・ウォルフレン氏の論文「日本政治再生を巡る権力闘争の謎」

カレル・ヴァン・ウォルフレン氏の当論文は、以前にもネットで紹介されていたので読んでいましたが、改めて読みました。山縣有朋と平沼騏一郎が作り上げた官僚と検察の機構について新たに客観的に認識し直すことができました。再度読み直してその強力な官僚・検察の統治機構に国民から選ばれた政党人として戦い続けた原敬のことを小沢一郎氏と同じ岩手県の政治家として思い出しました。今回の民主党代表選において小沢氏は最初の地方行脚の高知県須崎市の演説で「政治生命をかけて、私自身の命をかけて、みなさんとのお約束を必ず守る」と述べ、次の日には栃木県で演説されました。その演説や行動は坂本龍馬や浜口雄幸や原敬を思い出し、そして「僕には夢がある、国民の生活が第一」の言葉にキング牧師やケネディ大統領やリンカーン大統領を思い出しましたが、それらの優れた政治家は非命に倒れた政治家ばかりでした。しかしながら、昨日9月20日のasahi.comで小沢氏が「負けたおかげで来られた」と岩手県で結婚披露宴に出席して話されたというニュースを見ることができました。現在の世界で最も卓越した政治家としてカレル・ヴァン・ウォルフレン氏に高く評価されている小沢一郎氏が日本の政界に今も存在していることの幸せを実感しています。小沢一郎氏は代表選で菅直人氏とではなく非命に倒れた政治家の歴史と戦っていたのかもしれません。

2010年9月16日木曜日

中国海軍の目標

中国海軍の目標は米国海軍と太平洋を真中で分け合うことだと思います。これは80年前の日本海軍も考えたことで、そのために軍艦比率5:5:3では同意できず、5:5:3.5を主張しました。太平洋を米国と分け合うためには大日本帝国の資源は少な過ぎたために満州へ進出したと思います。しかし満州には石炭はあったが石油はなかった。もし満州に石油があれば、真珠湾攻撃のようなあれほど余裕のない攻撃をする必要はなかったと思います。7ヵ月後に石油備蓄はなくなり軍艦は動けず魚雷を避けることができなくなるというのは大変な恐怖だったと思います。しかしそのために中国とも米国とも戦うことになり挟み撃ちになってしまった。それでも満州に石油が出ていれば互角に戦えたと思います。経済成長が著しい中国は膨張すると思います。南シナ海でも東シナ海でも中国の影響が大きくなります。米国と太平洋を真中で分け合うために大東亜共栄圏を日本海軍が考えたように中国海軍も同様のことを考えると思います。日本は地政学的に中国との関係は必ず悪化しますので、日本にとっては太平洋のバランスは西太平洋の半島および島嶼地帯(日本も含む)で取った方が賢明です。米国と敵対すると再び中国と米国の間で挟み撃ちになってしまいます。その意味で小沢一郎氏が言うように円高の間に資源に投資すべきです。中国はアフリカを含め世界中の資源に投資しています。国策のない菅内閣のドル買い介入では紙切れのようなドル債権をつかまされるだけです。

民主党代表選の結果

小沢一郎氏は代表選がこのような結果になることを読んでいた可能性があると思います。そして、菅直人氏が続投しても、普天間問題、経済問題、ねじれ国会で行き詰まり、首相辞任に追い込まれるときが来る、そのときに圧倒的支持で、小沢一郎氏の政策と小沢総理が求められると。その意味で国会議員200の数字は大きく、菅直人氏支持の206は烏合の衆だと思います。普天間問題が鳩山由紀夫氏を首相辞任に追い込んだと同様に菅直人氏も首相辞任に追い込まれると思われます。国外、県外、県内の選択肢のうち辺野古移設が沖縄県民の了解を得られる可能性はほとんどなくなっています。そしてグアム移転もグアムのインフラ問題、追加移転費の問題で困難になって来ています。小沢一郎氏が今回の代表選の地方行脚の最初に高知県を選び、高知龍馬空港のある南国市周辺の須崎市、高知市、香南市で演説したのは意味があると思います。普天間の移設先を県外にするしかなくなった場合は高知龍馬空港を検討することになります。海兵隊員8,000人と家族9,000人合わせて17,000人の住居が必要です。須崎市、高知市、南国市、香南市に2,000戸づつ、最新の太陽電池およびオール電化の設備をしてエコ・シティとすることができます。軍事的観点で言えば、中国海軍の進出により、沖縄の米軍基地、九州の自衛隊基地が攻撃されている場合、かなり離れた高知龍馬空港から海兵隊の強襲上陸部隊を中国海軍の最大の軍港である舟山群島の舟山軍港の背後に派遣することができます。

2010年9月8日水曜日

【天声人語 2010年9月7日(火)】の添削

朝日新聞の天声人語は意図的な偽装だけでなく明らかな間違いが多いので添削してみました。

【天声人語 2010年9月7日(火)】の添削
選挙のことを「デモクラシーの祭り」と言ったのは英国のH・G・ウェルズだという。SF作家として知られるが、すぐれた文明批評家でもあった。その「祭り」が残暑の日本で佳境に入ってきた。そして一般の国民は踊りの輪を息をつめて見つめている▼この「首相選び」は政治史に残るだろう。そして祭りばやしが高鳴るほどに主権者は国民という思いは募る。〈いつの日か直に決めたい国の顔〉と先の川柳欄にあった。「直に決めた」といえる去年の祭りを希望に満ちて思い出す方もおられよう▼さて、どちらが首相にふさわしいか。小紙の世論調査では65%が菅首相をあげ、小沢前幹事長は17%だった。他紙も似た傾向のようだ。しかし、ネットやブログでは逆に小沢前幹事長が圧倒的にリードしている。そして新宿や大阪の演説会での小沢コール。いずれが民意の真実か測るのは難しく、民意の川は菅さんを浮かべて流したいが、民意の海は小沢さんを高潮で持ち上げたいと見ていいだろう▼民主的なコントロールとは、主権者国民によって選ばれた代議士による多数決によって結論を出す、という考え方で成り立っている。バッジ組みは、新人議員とて支持者の意向、利害損得の渦中にあろう。民意が正しく反映されることを願うばかりだ▼もとより政治は国民を前提とする。そして政治家とは政策の対立の中で勝者をめざす人たちだ。そして小沢さんの出馬には僕には夢があるという政策の実現への希望がある、このままでは国民の生活が破綻するという思いから勝負に出たような――。このあたりの心の決意に人は鈍くない▼去年の祭りでの熱を帯びた参加は、1年経ってより激しい祭りへと進化するのではと期待されている。頼りなげな清廉にせよ高潮のような剛腕にせよ、選ばれるのは村の希望であり、国の顔である。